結成35年目にして、このユニットの初アルバム"KATORIO"が完成しました。思えば長い道のりだったとは言えますが、途中、あまり演奏しない時期もありました。しかし、ちょっと久しぶりに演奏しても、スッとこの音楽になれる⋯⋯それこそが年期の成せる技なのかもしれません。

時代に逆らうようにしてCD盤を出すことには、多少のためらいもありました。しかし無色透明、重さ０の音楽に、モノとしての質感が備わると──　ことに今回、森晴美氏に素敵なジャケットを描いていただけたことで、音楽を見て、持つよろこびを得られたのです。

一方、このバンドの音の美しさにもご注目いただけたらと思います。こちらは、富正和氏が複数のマイクをVibraphoneに立てるなどして収録したものを、丁寧に作り込んでくれたものです。裏ジャケには、メンバーそれぞれがこだわり抜いて使っている楽器機種が掲載されています。Vibraphoneの音色ひとつとっても、きっとお聴きになっている方に、新たな響きを経験していただけるものと思っています。